シンガポールのウォータビジネス。ハイフラックス社の躍進。

ハイフラックス社シンガポール

歴史的米朝対談が行われるシンガポール。かの国は少し前まで
水不足で困っている国でした。

世界でも2025年までには3人に2人が水不足で
苦労するという国連環境計画(UNEP)の予測もあります。

リエです。こんにちは。みなさまいかがお過ごしでしょうか。

水に関してはマレーシアに依存していたシンガポール

シンガポール夜景

一人当たりGNPは日本を遥かに抜き去り、日本を余裕で越える
先進国になってしまったシンガポール。

法人税、所得税を安くして外国の企業や個人富裕層を呼び込む
ことに成功しました。

小さいうちからの2ヶ国語教育によるエリート育成。
日本が失われた20年とかいっちゃってるあいだに
シンガポールは光速で日本を抜き去ってしまいました。

しかし資源がないので不足分に対しては他国を頼るしか
ありません。

かつてはシンガポール国内の水の需要の半分以上を
隣国のマレーシアに頼っていました。

この状態は国家存亡の危機であることに気付いた
シンガポール政府は2000年ごろから
「ニューウォーター計画」なるものをスタート
させました。

シンガポールのニューウォーター政策

放射能と水汚染
その国家プロジェクトの内容は大きく分けて、

1)海水の淡水化
2)雨水の回収利用
3)下水の再処理

です。これらをやってのけるためにシンガポール政府は
全世界から優秀な技術者や専門家を招いてチームを作り
乗り切りました。

お金に物を言わせて短期で結果を出すやりかたです。
その時に政府が投資したお金は100億円以上と
いいます。

そして自国の企業には250億円もの投資をし、水ビジネス
での競争力を持つ会社を育成しました。

そのなかの一つがハイフラックス社です。

シンガポールのハイフラックス社CEOオリビア・ラム氏

オリビア・ラム
ハイフラックス社は2001年政府からのニューウォーター計画の
工場認定を受けた最初の企業となりました。

同社CEOのオリビア・ラム氏はマレーシアで孤児として
生まれながらも、科学を中心に勉強してシンガポールに移り
水ビジネスで大成功をおさめたのでした。

理系女子の頂点ですね。

海水淡水化設備ももっていますし、国内にとどまらず、
工業用水などの需要が急速に伸びている中国などでも
水処理事業を展開しています。

2017年には上場いらい初の赤字をだしこれからの
同社の動向が注目されています。

日本の海水淡水化技術

海水を淡水化する方法としては大きく分けて二つあります。
多段フラッシュと逆浸透法です。

多段フラッシュは海水を沸騰、蒸発させて塩分を除去する
方法です。

日立造船では多段フラッシュ法でのプラントを
サウジアラビアやオマーン、UAEなどの中東の地域で請け負って
います。

世界でみると水の需要の増加は中国もそうですが、
中東や北アフリカで多いということです。

東レは昔海水を真水に変えるなんたらかんたらと
テレビでコマーシャルをしていた記憶があります。

あまりテレビを見ないので知らないのですが、
今もあのコマーシャルやっているのかしら。

東レの技術は多段フラッシュではなく、
逆浸透膜にUF膜、MF膜というものを追加した
プロセスなんだそうです。

逆浸透膜はウォーターサーバーの浄水技術にも
使われていますから馴染みがありますね。

先ほども述べましたように、2025年の水不足問題
を睨んで欧米、中韓の浄水処理メーカーも凌ぎを削って
いるわけで、日本の高い技術も先行している欧米勢に
おいそれと太刀打ちできているわけではありません。

そして中韓の安売り攻勢は途上国には非常に有効ですし
品質の良さで勝っている日本も劣勢をしいられています。

人口も日々減少している日本では水関連のマーケットは
今後も縮小せざるを得ず、日本のメーカーは海外に
打って出るしか生き残る道はありません。

ウォーター関連の各企業様には頑張っていただいて
外貨獲得でお国の衰退を緩やかなものにして貰いたいと
心から願う情けない状態に悲しい思いでいっぱいです。